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国際交流?留学

トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム 第11期生に聞いてみました

学部:   応用情報科学研究科
留学期間: 2020年1月~2020年12月
留学先:  Carnegie Mellon University, Information Networking Institute

留学の動機と概要
第12期生留学様子写真その1

 私の留学は一言で表すと学位留学です。自身が所属する二重学位プログラムの一環で、米国Carnegie Mellon University (以下CMU)に留学しました。私がこのような留学を志した動機は、自身が専攻する情報セキュリティ分野において、世界トップレベルの大学院で実践的なスキルを身に付けたいと考えたからです。

 私は大学院で暗号分野の研究室に所属し、複数のセキュリティ関連企業でインターンシップをする中で、より実践的なサイバーセキュリティ技術を学びたいと考えるようになりました。

 しかしCMUへの学位留学にあたっては、①正規学生と同等の入学審査をパスしたり、②超高額な授業料を奨学金でまかなったり、③卒業要件として良好な成績を維持したりと、超えるべき障壁がいくつも存在しました。幸いなことに、①と③については指導教官やプログラム同窓生に助言をいただきながら自分自身で努力を重ね、②についてはトビタテ!等の奨学金団体に支援いただくことで、最終的に何とか情報セキュリティ分野の修士号をCMUで取得することができました。(写真は所属研究科の卒業式)

 また留学中に、プライバシー保護とデータの利活用を両立させる秘密計算技術の研究に取り組み、研究成果を学位論文として発表しました。具体的な研究成果としましては、対象データを暗号化したままでAIを学習させるプロトコルを、独自のデータ構造を用いることで、効率的に実現することに成功しました。

生活環境
第12期生留学様子写真その1

 CMUのあるピッツバーグは、米国北東部に位置し、夏は涼しく、冬は極寒の気候です。幸い、留学した2020年は暖冬であり、1月になってから一、二度雪が積もる程度で冬を超すことができました。またピッツバーグは、元々鉄鋼の街として栄えましたが、現在は医療産業都市に生まれ変わり、高齢者が多く暮らしている治安の良い街です。(写真はピッツバーグの街並み)

 そのため留学期間中は、治安面と気候面には苦労せずに、勉学に集中することができました。日本人が恋しくなる日本食についても、日本人が経営する日本食スーパーが2km圏内にあったり、ラーメンや海鮮丼のお店が近くにあったりと、それ程口寂しくなることはありませんでした。ただし、生活コストが日本の倍近くかかるため、節約を兼ねて、食事はほぼ毎食自炊をしていました。勉強が忙しかったこともあり、簡単に調理できて味付けを変えやすいパスタを毎日食べていました。

学習環境
第12期生留学様子写真その1

 CMUは校訓が、My heart is in the workであることから伺えるように、米国大学の中でも特に詰め込み式の教育を特徴とする大学です。そのため24時間快適に学習できるような環境が整っており、例えばキャンパスの至るところにWifiに接続できる自習スペースがあったり、深夜に自宅付近までバスで送迎してくれるサービスがあったりします。私自身は、コロナの影響もあり自宅で勉強することが多かったのですが、学期期間中は起きている時間は全て勉強にあてるような生活が続きました。

 続いて、CMUの授業の特徴を述べさせてもらうと、私が取っていた授業の多くは、ハンズオンの課題や期末プロジェクトがあるものがほとんどでした。(写真はCMUの遠隔授業風景)これは日本の大学教育と異なる点で、アメリカでは産業界のニーズに合わせてより実学重視の教育をしている印象を受けました。その中でも特に印象に残っている科目は、デジタルフォレンジックの科目で、様々な演習課題を通して、実践的なフォレンジック技術を学ぶことができました。

 例えば、中間レポートにおいては、架空の被疑者から押収したパソコンのディスクイメージから犯罪の証拠を収集したり、期末プロジェクトにおいては、ストレージ領域で断片化しているファイルをAIを用いて分類する研究に取り組んだりすることができました。

留学を通して学んだこと

 私が留学を通して学んだことは、大きく5つあります。一つ目は「多様な価値観の尊重」です。例えば、私が履修したデータ分析の授業では、所属や国籍がバラバラな学生とグループプロジェクトをする課題がありました。そこで、MBAの学生と工学系の学生で意見が対立した際には、(たとえ専門的な視点では相手の主張が的外れに思えても)お互いが相手の価値観を尊重して、建設的な議論を展開していたことに感銘を受けました。二つ目は「グループ?スタディの有用性」です。

 米国では、Academic Integrity Violation (AIV) という、課題や試験に対するズルを厳しく取締りますが、AIVに違反しない範囲で、学生同士で課題を教え合ったり議論をしたりすることは、より理解が深まることを実感しました。三つ目は「割り切って前を向くことの大切さ」です。非常に競争的な学習環境を生き延びるコツとして、7割のものを早く仕上げることを心掛けることで、結果的に良い成績を維持できることに気付かされました。四つ目は「リスクマネジメントの実践」です。

 私はコロナの影響で、奨学金を継続受給できるか、米国に再入国できるかが不透明な状況で、一時帰国を決行しました。その際にリスクマネジメントは、個人の場合は価値観、企業の場合は企業理念と表裏一体であることを、実感しました。

 五つ目は「オタク文化のパワー」です。日本人よりも日本のアニメに詳しい中国人学生が多数存在したり、INI ( Information Network Institute )の自習スペースにNintendo Switchがあったりと、オタク文化が国際交流の円滑油になることを体感しました。

トビタテ!の価値

 トビタテ!の価値としては、奨学金を除くと、トビタテ生同士のネットワークの価値が最も大きいのではないかと思います。

 私は主に留学の前後において、トビタテ生のネットワークに助けられました。例えば、留学前にトビタテ生の自主コミュニティである「とまりぎ」のイベントに参加した際には、CMUに留学していた学生を紹介してもらうことができ、現地の生活環境について事前に情報を入手することができました。

 また帰国を検討していた際には、空港でのコロナの検疫対応やホテルでの隔離対応について、既に帰国したトビタテ生のSNSグループで情報を共有してもらえたため、安心して帰国することができました。

感想と総括
第11生留学様子写真その3

 私が留学した2020年は、コロナの大流行、黒人の暴動、アメリカ大統領選と波乱の年でした。コロナの影響は、大学生活にも及び、3月中旬(春学期の後半)からは、キャンパスの立ち入りが禁止され、原則オンライン授業になりました。

 それにより、現地学生と対面で十分に交流を深めることができなかったのは残念でしたが、コロナ流行前に親しくなった中国人やインド人の学生と、コロナが落ち着いたタイミングで一緒に外食をしたり、シリコンバレーを旅行したりできたのは不幸中の幸いでした。

 またCMUに留学している、日本人PhD学生やMBA学生と知り合ったり、CMUの日本語の授業にボランティア講師として参加したりと、日本関連コミュニティとも交流することができました。

 黒人の暴動については、自宅から2km圏内のスーパー近くでデモが起こり、州兵が催涙ガスを散布する事態も目撃し、危険を感じました。(写真は州兵出動の様子)大統領選では、留学していたペンシルベニア州はSwing Stateとして注目され、アメリカの政治的分断を実感しました。

   
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